フランスのGMレコードから、26年新規リマスターでのリシュー。アンジュは、フランス東部のベルフォール出身のグループで、クリスチャンとフランシスのデカン兄弟が中心となって69年に結成されている。70年にシングル・デビュー、72年にファースト・アルバムをリリース後、数多のメンバー変遷を経ながら現在も現役で活動を続けるフレンチ・プログレのビッグ・ネームで、日本での知名度も高いと思う。本作は、74年にフランスのフィリップスからリリースされたサード・アルバムで、確か邦題は「新ノア紀」。メンバーは、前作と同じクリスチャン・デカン、フランシス・デカン、ジャン・ミシェル・ブレゾワール、ダニエル・アース、ジェラード・イェリシュの5人編成、プロデュースもクロード・ビボーネ。次作と共に、日本では最も知られていて人気のあるアルバムだが、実は中身は悪魔である農夫ゴドヴァンが、時空を越えて遍歴するという、B級SF的トータル・コンセプト作品で、物語自体はゴドヴァンが最後にはノアに重なるというよく解らないオチ。ある意味ガブリエルよりアクの強いシアトリカルなボーカル、ジェネシスをもう少しエキゾティックにした感じのギター・アルペジオ、ハード・ロック調のギター・ソロ&リフ、独特の浮遊感と変テコで美しい音色のキーボード&メロトロン、ドカスカのパワフルなリズム隊による演奏はけっこう重厚でカッコいい。サイケ色のあるシンフォニックな楽曲も、ジェネシスとはまた違った濃密さと重さを放っていて、この後のアンジュ的ヘヴィ・シンフォニック・サウンドの確立を見たアルバムともいえるかも知れない。ともかくも、この太くて厚いぎラギラ感はハマるとクセになるタイプで、好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Psyche / Jewel-case CD(2026 Re-master) / GM Records/France)