リヒテンシュタインのハイフライ・サウンド・アンスタルトから、デジパックでのリシュー。アスガールはノルマンディー地方カーン出身のグループで、パトリク・グランピエールが中心となって75年に結成されている。ストーンハウス絡みのUKのASGARD(アスガード)とは勿論別のグループ。本作は、78年にフランスWEAからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのグランピエール、ウィリアム・ローデイ、ベルナール・ダルシュの3人に、新たにギィ・プランタンを加えた4人編成。旧A面(1~6曲目)がブルターニュ地方のトラッドや南米アンデス地方のフォルクローレ・チューン、旧B面(7~10曲目)が中世詩人フランソワ・ヴィヨン等の詩をモチーフにしたオリジナル・チューンという構成。ブルターニュ・トラッドを基調とした、前作の土臭さをほのかに担保しつつも、煮え切らないプログレ色を持ち込んだ結果、それが功を奏して逆に洗練感が増したフォーク・ロック的サウンドに仕上がっている印象。トラッド/フォルクローレ群は、例えばタンジェリーヌ辺りに通じるいなたい哀愁が心地好く、オリジナル群はパルサーを素朴にしたような感じ。ギター、ヴァイオリン、フルート、エレピを中心とした演奏はしっとりとした内省感があって、時折聴こえて来る遠くで鳴ってるようなメロトロン、プサルテリーのハマり具合も絶妙。全体に、柔らかくて丸いサウンドと嫌味のない線の細い哀愁は耳触りがよく、キーフとデレク・ジャーマンが混ざったような素敵なスリーヴも含め、ともかくも雰囲気十分でなかなかの好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Folk Rock,Trad,Symphonic / Digi-Pack CD(2015) / Hifly Sound/Liechtenstein)