ギリシャのナクサトラスから、見開きデジスリーヴでのリリース。ナクサトラスはテッサロニキ出身のグループで、ジョン・デリアスとジョン・ヴァゲナスが中心となって12年に結成されている。15年にファースト・アルバムをリリース、ストーナー・ロック系からスペース・ロック系へとシフトしつつ、2年に1枚程のペースでアルバムを発表しながらライヴも含めて順調に活動しているようだ。本作は、25年に本人たちのレーベルから自主制作盤としてリリースされたフィフス・アルバムで、メンバーは、前作と同じデリアス、ヴァゲナス、コスタス・ハリザニス、パンテリス・カールガスの4人編成。概ね、前作の延長線上にあるスペイシー・プログレ路線で、オズリック・テンタクルズやクォンタム・ファンタイ方面のスペース・ロック調に、「雲の影」以前のピンク・フロイド的プログレ感を織り交ぜたようなサウンドを展開。曲によっては、同じギリシアのジュピター・ファンガスや、ドイツのデルヴィング、ヴァイテ辺りに通底するジャーマン・サイケ系のポスト・ロック感も感じられ、フロイド方面のイモっぽさとヘヴィネス、ポスト・ロック方面のソリッドさが独特のマッチングを見せる。楽曲は基本ブルージーだがしつこさはなくて、時折顔を出すアラビック・テイストのハマりも悪くなく、必ずしも疾走感とノリのよさに頼らずに、イモっぽいヘヴィネスを担保するという、スペイシー・プログレ系としては異端的で面白い好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Space Rock,Blues,Psyche / Digi-Sleeve CD(2025) / Naxatras/Greece)
