スペインのザフィロからのリシュー。ヌーはマドリッド出身のグループで、72年にホセ・カルロス・モリーナが中心となって結成されたフレーザを母体として、74年にヌーに改名した。ユーロ・ロック系のガイド本では、スペインのジェスロ・タルまたはオザンナといった紹介のされかたをしているので、記憶にある人もいるかも知れない。本作は、79年にスペインのチャパからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのホセ・カルロス・モリーナ、エドゥアルド・ガルシア、ジャン・フランスワ・アンドレ、ホルヘ・カルヴォの4人に、新たにラウール・ガルリドを加えた5人編成。勢いのよいハイトーン・ボーカル、飛び交うツバ吹きフルートとヴァイオリン、ハード・ロック調のギター、洪水メロトロン、重たく疾走するリズム隊などなど、概ね前作の延長線上というかほぼ同傾向のサウンド。確かに、ツバ吹きフルートとハード・ロック調のギターはジェスロ・タル&オザンナ的、イタリアン・ロックに通じるせっかちなヘヴィネスもオザンナ的な印象で、変拍子も交えた楽曲・アレンジはプログレ然としていてトリッキー。この後ヘヴィ・メタル化していく萌芽もまだ薄く、概ねプログレの範疇で語れる内容で、ヨレたスペイン臭は全くないが男臭い濃さ満点というか、ともかくもクドくて濃密。このギラギラ感とメーター振り切りの全開感は圧巻で、ダークでクセのあるリフやフレーズを基調にヘヴィなまま疾走する様は素直にカッコいい。全体にB級感も十分で、イタリアン・ヘヴィ・プログレやタルのハード・ロック的要素が好きな人なら、まずもって楽しめると思う。
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(Progressive/Heavy Symphonic,Hard / Jewel-case CD(2002) / Zafiro/Spain)