スペインのユーカリ・ミュージックから、見開きデジスリーヴでのリリース。オーロラ・クララはマドリッドを拠点に活動するグループで、ブエノス・アイレス出身のギタリスト兼プロデューサー、ラウル・マニョラが中心となって21年頃に結成されている。マニョラは90年代からジャズ/フュージョン畑で自身のクァルテットやクィンテットを率いていて、「オーロラ・クララ」は元々02年にリリースされたラウル・マニョラ・クィンテット名義のアルバムのタイトル&曲名。本作は、24年にリリースされたフォース・アルバムで、メンバーは、前作からのマニョラ、デニス・ビラニン、ファン・カルロス・アラシル、ニル・オリベイラの4人に、新たにマルコ・アンデルソンを加えた5人編成を基本に、曲によってイバン・メレン、パウル・アウステルリッツが適時ゲスト参加、プロデュースはマニョラ。概ね、前作の延長線上にある、バカテク系のジャズ・ロック/フュージョン・プログレ路線変わらずで、饒舌なギターと流暢なキーボード、達者なフルートを軸としたアンサンブルは、涼やかな洗練感を担保しつつ炸裂感も十分。ロック調のヘヴィネスとフュージョン調の軽快さが同居するリズム隊のノリもよく、それなりにメロディアスでリフやフレーズにニュアンスがある楽曲、プログレ調の熟れたアレンジは上等で、バンド感のある演奏も素直にカッコいい。バカテク系の線も含め、前作同様の好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Crossover / Digi-Sleeve CD(2023) / Youkali Music/Spain)