ポーランドのGAD(グレート・オーディオヴィジュアル・ディスカヴァリーズ)レコードから、76年のスタジオ・セッショッンやデモ音源等8曲をボーナスで加えての、24年新規リマスターでのリシュー。SBBは、元ブレイクアウトのヨセフ・スカーチェクが中心となって71年にシェミャノヴィツェ・シロンスキェで結成されたグループで、SBBとはシュレジアン・ブルース・バンドの略称。71~73年はニーメンのバックを務め5枚のアルバムを制作、74年にバンド単独でファースト・アルバムをリリース、それ以降40年以上に渡って現在も活動を続けるポーランドを代表するロック・バンドの1つ。本作は、06年ポーランドのメタル・マインド盤9CDボックス・セット「ロスト・テープス Vol.2」に収録され、18年にGADレコードからアナログLPで単独リリースされた発掘音源アルバムで、76年1月(1~3曲目)と75年5月(4曲目)にカトヴィツェのポリスキー・ラジオ・スタジオでレコーディングされたラジオ・セッション音源をコンパイルした内容。メンバーは、スカーチェク、アンティモス・アポストリス、イェジー・ピオトロヴスキーのトリオ編成、プロデュースはミハウ・ウィルチェンスキで、1~3曲目は短編ニュース・フィルムのサウンドトラック用音源としての企画だったらしい。概ね、アポストリスが豪快にギターを弾きまくっていて、適時スカーチェクがベースにまわるパート辺りは、もうほとんどハード・ロックさながらのヘヴィな炸裂を見せる。少しアブストラクトなサイケ感の静のパートから、ジワジワと音数を増やして行きながらドカスカに盛り上がっていく、動のパートへのダイナミズムは素直にカッコよくて圧巻。わりと文句なしの好盤と思う。尚、ボーナス群も全て同じ76年1月のラジオ・セッション音源で、5~10曲目は「ロスト・テープス Vol.2」、11曲目は14年GAD盤コンピ「ソンダ2」が初出、12曲目は今回が初出の未発表音源。
輸入盤
(Progressive/Blues,Hard,Fusion / Jewel-case CD(2024 Re-master) / Gad Records/Poland)