ポーランドのGAD(グレート・オーディオヴィジュアル・ディスカヴァリーズ)レコードから、75年のポーランド国営ラジオ・セッション音源3曲をボーナスで加えての、20年新規リマスターでのリシュー。SBBは、元ブレイクアウトのヨセフ・スカーチェクが中心となって71年にシェミャノヴィツェ・シロンスキェで結成されたグループで、SBBとはシュレジアン・ブルース・バンドの略称。71~73年はニーメンのバックを務め5枚のアルバムを制作、74年にバンド単独でファースト・アルバムをリリース、それ以降40年以上に渡って現在も活動を続けるポーランドを代表するロック・バンドの1つ。本作は、76年にポーランドのポリスキー・ナグラニア・ムーザからリリースされたサード・アルバムで、メンバーはファーストから不変のスカーチェク、アンティモス・アポストリス、イェジー・ピオトロヴスキーのトリオ編成、プロデュースはヤツェク・ズウォトコフスキ。前作までのハード&サイケ&実験色がそれなりに薄れ、ゆったりしたメロディアスなパッセージから曲が進行するにつれて徐々に盛り上がっていく感じのシンフォニック・プログレ色が増していて、その意味ではこの後の作品群のプロトタイプ的なサウンドを展開。スカーチェクはもうあまりベースは弾かずにエレピとオルガンが主軸で、楽曲はまだそれ程キャッチーではないが、ハード&サイケ調からプログレ調へとシフトしつつある印象で、全体に壮大でドラマティックなプログレ然とした路線。例えば3曲目の後半の炸裂ギター・ソロ辺りも含め、演奏は重厚で素直にカッコよく、相変わらずバンド感十分の好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Blues / Jewel-case CD(2020 Re-master) / Gad Records/Poland)