ハンガリー/EUのグルント・レコードから、72年のシングル両面4曲(アルバム未収&シングル・ヴァージョン)をボーナスで加えての、22年新規リマスターでのリシュー。オメガはブダペスト出身のグループで、ヤーノシュ・コボールとラズロー・ベンコが中心となって62年に結成されている。数多のメンバー変遷を経ながら現在も活動を続ける、おそらくハンガリーのロック・バンドの中では最も知名度のあるグループで、ロコモティヴGT、ニュートン・ファミリー等の派生・関連バンドを持つ。本作は、72年にハンガリーのピエタからリリースされたフォース・アルバムで、メンバーは、前作からのコボール、ベンコ、ジェルジ・モルナー、タマーシュ・ミハリーの4人に、新たにフェレニク・デブレツェンを加えた5人編成。71年~72年にかけてレコーディングされながら、ガボール・プレッサーとヨセフ・ラークスがロコモーティヴGT結成の為に脱退したり、ハンガリー政府当局から不適切な内容ということで発禁となるという事情などで、結局一旦オクラ入りとなったフォース・アルバム用音源(後に「200 Evvel Az Utolso Haboru Utan」として発掘リリースされた)を基に、プタペストの大学のステージで無観客ライヴ形式で再レコーディング、さらにスタジオ・ワークを加え、当局の検閲をパスして「ELO」としてリリースされた。この後長きに渡って不動のメンバーとなる5人での最初のレコーディング作品で、基本一発録りということもあってか全体にハード・ロック基調で勢いがよく、ブルース色の強いヘヴィネスとシンフォニック・プログレ色が、わりといい塩梅のバランスで同居。スカっと濃密な東欧プログレの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Hard,Symphonic,Blues / Jewel-case CD(2022 Re-master) / Grund Records/Hungary,EU)