イタリアのエピックトロニックからのリリース。国内のエピックトロニック・ジャパンが輸入盤にオビを付けた国内流通盤。ミューゾゾイックはポーランドのウッチ出身のグループで、コンヌラット&トマシュ・マリニャク兄弟が中心となって14年頃に結成されたようだ。ジャズ・ロックとフュージョンをクロスオーヴァーさせた『ジャゾック/フューゾック・サウンド』を標榜、15年のメロマニ・ジャズ・アワードで新人賞を受賞、17年に自主制作盤デビューEP「テレパトロジカ」、18年にファースト・アルバム「ジャゾック?」をリリースした。本作は、23年にリリースされたセカンド・アルバムで、邦題は「ミューゾゾイック」、メンバーは、マリニャク兄弟、ウーカシュ・シュヴィデルスキのトリオ編成を基本に、曲によってプシェメク・ポゴツキが適時ゲスト参加。概ね、本人たちが標榜している通りの、ジャズ・ロックとフュージョンの狭間というかクロスオーヴァー・サウンドというか、骨太のジャズ・ロック感と洗練されたフュージョン感が、わりといい塩梅のバランスで交叉。変拍子&ポリリズムを適時織り込んだバカテク系の楽曲を、涼やかなバカテク・アンサンブルで綺麗に熟しているが、どこか古いジャズ・ロック調のイモっぽさも担保されていて、その辺りが存外に味わい深かったりもする。バカテク系愛好家は勿論、ジャズ・ロック系愛好家も普通に楽しめる好盤と思う。
エピックトロニック・ジャパン盤
(Progressive/Jazz Rock,Fusion / Jewel-case CD(2024) / Epictronic,Epictronic Japan/Italy,Japan)