ポーランドのオスカー・レコードから、3面開きデジパックでのリリース。マーヤはブダペスト出身のグループで、ユー・アンド・アイの後身バンドというか、ゲルグー・サボーとタマーシュ・ナードハジが中心となって19年に再編された際に、グループ名をユー・アンド・アイではなくマーヤにしたらしい。本作は、24年にリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、サボー、ナードハジ、ジュジャ・ガルダ、イド・フェチケ、ピーテル・ゴストラの5人編成。概ね、ユー・アンド・アイの70年代調プログレ路線を継承する、ヘヴィ・シンフォニック・サウンドを展開していて、というのも、ユー・アンド・アイ時代末期のアイデアやマテリアルを、練り直して発展させたということらしい。巷では、ELPやジェネシス、イエス辺りとの類似で語られることが多いようだが、さらにイタリアン・プログレ的なヘヴィネスも加味されている印象で、緩急の効いたドラマティックなプログレ感を堪能出来る。クッキリとパワフルなジュジャの女性ボーカル、伸びやかでプログレ的情感十分のギター、ツボを押さえて要所を締めるオルガンとシンセ中心のキーボード、タイトで太いベース、安定してボトムを支えるドラムによるアンサンブルは、突出した派手さではないがソリッドで濃密。しつこ過ぎずでいい塩梅のメロディアスさの楽曲と、時折変拍子も交えたアレンジも、場面転換や流れのバランスが取れていてスッキリと聴きやすい。SFファンタジー調のスリーヴも含め、ズッシリとした聽き応えのプログレ然とした好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic / Digi-Pack CD(2024) / Oskar Records/Poland)