イタリアのクレイ・レコードからのリシュー。スリップ・ケース付で、ここではそのスリップ・ケースを載せた。ブルー・エフェクトは、元マタドールズのラディム・ハラディークが中心となって69年にプラハで結成されたグループで、モドリー・エフェクト、M.エフェクトと名前を代えながら上質のプログレ作品を量産した。本作は、75年に旧チェコ・スロヴァキアのスプラフォンからリリースされたモドリー・エフェクト名義のサード・アルバムで、メンバーは、前作と同じハラディーク、ルチェク・スメルカ、ヨセフ・クーストカ、ヴラド・チェフの4人編成を基本に、曲によってジャズQのイジー・スチヴィーンとマルチン・クラトフヴィールが適時ゲスト参加、プロデュースはヒネク・ジャルチーク。薄いスキャット・コーラスが曲によって入るが、前作「ニュー・シンテシス 2」収録曲のセルフ・カヴァー(1曲目)も含め、ハード・ロック色内包のヘヴィなインストを展開。ゲスト参加のジャズQの2人、スチヴィーンのツバ吹きフルートとクラトフヴィールのジャジーなエレピが殊の外強力で、ブルース基調の流暢なハラディークのギター、シュアーなドライヴ感のクーストカのベース、ドカスカでノリのよいチェフのドラム等と、非常に的を射た上等なマッチングを見せる。例えば、初期SBB辺りとはまた違った東欧的ハード&プログレ・テイストの炸裂サウンドで、ヘヴィネスを担保しつつインプロも交えて盛り上がるアンサンブルは素直にカッコいい。ともかくもバンド感十分で、この線としてはわりと文句なしの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Blues,Hard,Jazz Rock / Jewel-case CD(2022) / Kray Records/Italy)