スロヴァキアのパヴィアン・レコードから、3面開きデジパックでのリリース。フェルマータは旧チェコ・スロヴァキアのブラチスラヴァ出身のグループで、元パヴェル・ハメルのプリュディやコレギウム・ムジカムのフランチシェク・グリグラークと、トマーシュ・ベルカが中心となって73年に結成されている。本作は、25年にリリースされた13枚目のアルバムで、19年「ブルメンタル・ブルース」から6年振りの再編スタジオ作品。メンバーは、グリグラーク、ベルカ、タマーシュ・ベリツァのトリオ編成、プロデュースはグリグラーク。概ね前作の延長線上にあるフュージョン・プログレ方面のサウンドで、無理のない自然なプログラミング・ドラム・トラックに乗せて、グリグラークの流暢なギターが炸裂するスタイル。時折それなりのソロも披露するベルカのキーボード群は、多少の脇役感はあるがけっこう重厚で、安定してボトムを支えるベリツァのベースもノリがよく、全体としてはわりとバンド感十分。ブルース基調でジャジーなスタイルのギターは、結果としてプログレ、メタル、ジャズ辺りの要素をフュージョン的洗練感で括った感じだが、テクニカルさが全面に出ているわけでもなく、とはいえさりげなくバカテク方面でもあって、流暢さや音色のチョイス、ハミ出し加減は、やはり近年のジェフ・ベック辺りに近似する印象で素直にカッコいい。プログレ愛好家も、クロスオーヴァー/フュージョン系愛好家も、まずもって楽しめる好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Crossover,Fusion,Blues / Digi-Pack CD(2025) / Pavian Records/Slovak)