スロヴァキアのオパス・レーベルから、09年新規リマスター&2CDでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。フェルマータは旧チェコ・スロヴァキアのブラチスラヴァ出身のグループで、元パヴェル・ハメルのプリュディやコレギウム・ムジカムのフランチシェク・グリグラークと、トマーシュ・ベルカが中心となって73年に結成されている。本作は、77年のサード「ワスカラン(CD1)」と80年のフォース「ドナウ川伝説(CD2)」をカップリングした2枚組で、オリジナルは2枚とも旧チェコのオーパス。メンバーは、サードがグリグラーク、ベルカ、ラジスラフ・ルチェニチュ、カロル・オラーフの4人編成を基本に、曲によってボーカルやチェロがゲスト参加、フォースがグリグラーク、ベルカ、オラーフ、フェドール・フレショ(ex.コレギウム・ムジカム,M・エフェクト,etc)の4人編成を基本に、曲によってストリングス・クァルテットがゲスト参加。ともに音楽監督はヤン・ラウコ。サードは、70年のペルー大地震で14人が犠牲となった、旧チェコ・スロヴァキアのワスカラン登頂山岳隊の事件をモチーフとした作品で、ファーストからのバカテク・ジャズ・ロック色はそれなりに担保しつつも、楽曲的にはヘヴィ・シンフォニック色が強くなっている印象。ギターの泣き加減やキーボード群のリリカルさ、甘めのメロディやドラマティックな場面転換などは、例えばキャメル辺りのスタイルに近似する感じ。フォースは、グリグラークの弾きまくるギターを軸に炸裂感のあるジャズ・ロック・プログレを展開していて、演奏と楽曲の傾向や編成も含め、ある意味ファーストの時期に回帰していると云えるかも知れない。ジョン・エサーリッジ的なキレのよい速弾きや太い流暢さのギター、的確にツボを押さえる洪水系のキーボード群、変拍子も難なくこなすノリのよいフォーカス的なリズム隊による演奏は、ハイテンションかつバンド感も十分で素直にカッコいい。特にフォースは、プログレ色のあるテクニカル・ジャズ・ロック系の大好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Jazz Rock,Heavy Symphonic,Blues / Jewel-case 2CD(2009 Re-master) / Opus/Slovak)