チェコのスープラフォン/ビート・レディオから、69年のアルバム未収シングル5曲(11~14,16曲目)、シングル・ヴァージョン1曲(15曲目)、72年の「キングダム・オブ・ライフ」収録曲1曲(17曲目)の計7曲をボーナスを加えての、17年新規リマスター&デジパックでのリシュー。ブルー・エフェクトは、元マタドールズのラディム・ハラディークが中心となって69年にプラハで結成されたグループで、この後モドリー・エフェクト、M.エフェクトと名前を代えながら上質のプログレ作品を量産した。本作は、70年にチェコ・スロヴァキアのスープラフォンからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ラディム・ハラディーク、ヴラディミール・ミシーク(ex.フラメンゴ)、イジー・コゼル、ヴラド・チェフの4人編成を基本に、1曲目のみミロシュ・スヴォボダのゲスト参加がある。プロデュースはミハエル・プロスチェヨフスキー。ハラディークの達者なブルージー・ギターとミシークの朗々と歌い上げるボーカルを核とした、サイケ&ハードなブルース・ロックを展開していて、少しジャジーなテイストのリズム隊もかなり流暢で、この線としては非常に上等なサウンド。曲によってシタールやフルートも交えた楽曲は、ブルースを基調としながらもハード、サイケ、プログレ、ビート色がいい塩梅で同居していて、ともかくも全員演奏が上手く、雰囲気も十分で素直にカッコいい。後のモドリー・エフェクト、M.エフェクト名義のプログレ系作品群とは趣を異にするが、ハード&ブルース・ロック系愛好家は勿論、プログレ系愛好家もけっこう楽しめるだろう好盤と思う。尚、72年の「キングダム・オブ・ライフ」は、本作をベースにした西欧輸出用英語盤。
輸入盤
(Progressive/Blues,Hard,Psyche / Digi-Pack CD(2017 Re-master) / Supraphon/Beat Radio/Czech)