UKのシーリー・コートから、3面開きデジスリーヴでのリリース。320枚限定プレス。ウインドロードはノーサンプトンシャー州ノーサンプトン出身のグループで、アンドリュー・カイトリーとマーティン・ウイニングが中心となって71年に結成されている。地元クラブのハコ番の他、クラブ・サーキットでも活動したが、リアルタイムで作品をリリースすることなく75年に解散したようだ。本作は、74年の未発表スタジオ・セッション音源で、アルバム制作のためのデモ用レコーディングということらしい。メンバーは、カイトリー、ウイニング、スティーヴ・パリッシュ、スティーヴ・マスグローヴ、ショーン・ファーマー、スティーヴ・ハーヴェイ、キップ・シップリーの7人編成。概ね、ハード、サイケ、ジャズ・ロックの要素が交叉するプログレ方面のサウンドを展開していて、ブルース基調の楽曲、プログレ調のアレンジ、ハード調の演奏のマッチングは、わりとブリティッシュ然とした煮え切らない折衷感十分。管楽器の存在が、ヴァーティゴやネオン系のジャズ・ロック&サイケ色を担保していて、ちょっとウィッシュボーン・アッシュ的なツイン・ギター、太くてノリのよいベース、ジャジーさとドカスカさが同居するドラム&コンガ、クッキリとしたハイトーンのシャウト・ボーカルによるアンサンブルは、引き締まっていて素直にカッコいい。6曲で21分強だが、もしそれなりのプロデュースでアルバムを制作したなら、なかなかの仕上がりになったかも知れない、知られざるブリティッシュ・ロックの好バンドと思う。
輸入盤/限定320枚プレス
(Progressive/Hard,Blues,Jazz Rock,Psyche / Digi-Sleeve CD(2024) / Seelie Court/UK)