USAのコモン・サウンズから、15年新規リマスターでのリシュー。オルファンはミズーリ州カンザスシティ出身のグループで、ランス&ケヴィン・メレンブルッフ兄弟が中心となって結成されている。本作は、77年にUSAのOMIレコードからプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、メレンブルッフ兄弟、ヒュー・ルディック、トム・サザーランドの4人編成。概ね、プログレ色のあるポップ・ハード調サウンドを展開していて、メロディアス・ハードやAORハード方面にも通じる、カラっとしたポップネスとロッキンなハードネス、煮え切らないプロフレ的要素が妙な塩梅で同居。時々ヨレるが概ね流暢なリード・ギターが、ソロも局間も全体に弾きまくっていて、涼やかなアコースティック・ギターやジェントリーなボーカルのハマりも悪くない。リズム隊が安定していて演奏に破綻はなく、ウエストコースト調のキャッチーさの楽曲も真っ当な路線だが、チープなストリングス系シンセの使い方も含め、どこかローカルなイモっぽさが見え隠れするメインストリーム感が漂う。ギターのリフやフレーズはわりとカッコよく、アレンジもちゃんと練られていて、地元ではそれなりの実力者だったのではないかと思われる。浮上出来ないメインストリーム指向のダサさが、結果としてB級の味わいを生んでいるタイプで、そこがいかにも自主制作盤的という意味での好盤と思う。この後、80年にセカンドをリリースしてバンドは解散、ケヴィンは80年代末にYDLで活動する。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Pop Hard/Blues,Progressive,Pops / Jewel-case CD(2015 Re-master) / Common Sounds/USA)