ドイツのレパートリーから、71年のアルバム未収シングル1曲をボーナスで加えての、08年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、音質はクリアで迫力もあって非常によい。ダストはニュー・ヨーク出身のグループで、リッチー・ワイズが中心となって69年に結成されている。何より、マーク・ベル(aka.マーキー・ラモーン)のデビュー・バンドとして知られているかも知れない。本作は、71年にUSAブッダ/カーマ・スートラからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、リッチー・ワイズ、ケニー・アーロンソン、マーク・ベルのトリオ編成、ドミニク・シチリアとケニー・ケルナー、バンドの共同プロデュース。全体に、わかりやすい炸裂感のある疾走ゴリゴリ・ハードを展開していて、ドブロやスティール・ギターも織り交ぜたブルージーな泥臭さと、ザクザクしたパンキッシュなリフがいい塩梅でマッチング。セカンド程ポップネスは強くはないが、パワー・ポップ系としても十分に聴けて、キャッチーさとB級感が同居、ある意味ニュー・ヨークらしい湿ったヘヴィネスも放つ。ともかくも演奏の炸裂&疾走感が素直にカッコよく、サー・ロード・バルティモア辺りにも通じる東海岸アメリカン・ハードの好盤と思う。この後、72年にセカンドをリリースしてバンドは解散、ワイズはキッス等のプロデューサーへ転身、アーロンソンはデリンジャー等へ。マーク・ベルは前述の通りラモーンズへ加入してマーキー・ラモーンとなる。
輸入盤/デッドストック入荷
(Pop Hard/Psyche,Punk,Blues / Paper-Sleeve CD(2008 Re-master) / Repertoire/German)