USAのサウス・サイドから、デジパックでのリシュー。アッティラは、元ザ・ハッスルのビリー・ジョエルとジョン・スモールが69年に新たにニュー・ヨークで結成したデュオ・ユニットで、何より『ビリー・ジョエルが在籍していた』ことで知られていると思う。本作は、70年にUSAエピックからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、上記のジョエル(ボーカル&キーボード)とスモール(ドラム)のデュオ編成、アーウィン・マズール、ジョエル、スモールの共同プロデュース。ジョエルの軽快なオルガンが全編に炸裂する、ほぼオルガン・ハードと呼べるサウンドを展開していて、饒舌で達者なオルガンにけっこう驚かされる。ジョエルのクッキリしたシャウト・ボーカルには若さも感じられるが、声や歌い回しにすでにそれっぽさがあって十分に上手く、ハード・ロック調のリフやフレーズを、時にギターっぽい音色も使って弾きまくるオルガンは、ともかくもドライヴ感があって素直にカッコいい。スモールのドラムは、派手ではないが安定していてノリもよく、オルガンとのコンビネーションも十分で、ブルースを基調としたハードな楽曲が多いが、サイケな実験色の強い4曲目やELPばりの8曲目も含め、全体にメインストリーム系のキャッチーさも担保されている印象。ワンパターンで多少クドさもあるが、このオルガンの正しくサイケなギラギラ感と下品さは、ハード・ロック&オルガン・ロック愛好家にはほとんど文句なしにアピールするだろう好盤と思う。この路線でもっとELP色を強めれば、ドイツのシックスティ・ナインといった感じかも。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Pop Hard/Blues,Progressive / Digi-Pack CD(2009) / South Side/USA)