UKのMLP(メジャー・リーグ・プロダクション)から、限定ペーパースリーヴでのリリース。センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド(SAHB)は、ティア・ガスにアレックス・ハーヴェイが加わる形で71年に結成されたグループで、72年にSAHBとしてUKヴァーティゴからデビューした。本作は、73年「ネクスト」の次のサード・アルバムとして、74年3~4月にレコーディングされミックス・ダウンも終わっていたが、結局オクラ入となった音源で、ブックレット入。メンバーは、ハーヴェイ、ザル・クレミンソン、ヒュー・マッケンナ、クリス・グレン、エディー・マッケンナの5人編成を基本に、曲によってブラス&バグパイプ隊、女性コーラス等が適時ゲスト参加。結果としてほとんどの曲が、74年リリースのサード・アルバムとなった「インポッシブル・ドリーム」に流用されたので、目新しさはそれ程でもないかも知れないが、それなりにアレンジが違っていたり初出曲もあったりで、けっこう楽しみ所はある。全体に、ブルース基調のハード・ロックとパブ・ロックのゴッタ煮十分で、上手くて重厚な演奏とイモっぽいB級センスが交叉するいつものSAHBというか、ハード系の武骨さ、ファンク系の洗練感、パブ・ロック系の下世話さのミックスは相変わらず見事。アナザー「インポッシブル・ドリーム」として、ファンなら普通に楽しめると思う。
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(Pop Hard/Blues,Pub Rock,Funk,Pops / Paper-Sleeve CD(2009) / MLP/UK)