韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、19年新規リマスター&限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、インサート、インナー・バッグ入、オビ付。レイ・オーウェンはサフォーク州出身の黒人ボーカリスト兼ギタリストで、ミスアンダストゥッド、オパール・バタフライ、ジューシー・ルーシー等での活動で知られていると思う。レイ・オーウェンズ・ムーンは、その名の通りジューシー・ルーシー脱退後にオーウェンが新たに結成したグループで、本作は71年にUKポリドールからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、オーウェン、レス・ニコルズ(ex.メトセラ)、ディック・スタッブス、シド・ガードナー、イアン・マクリーン(ex.アンドロメダ)の5人編成で、プロデュースはカルロス・オルムス。オーウェンのスッキリとポップなシャウト・ボーカルと、時に3本になるブルージーなギターを中心とした、ヘヴィだがポップネスのあるハード・ロックを展開していて、全体に勢いがあってスカっと一発系のサウンド。ジミヘンの「ヴードゥー・チャイルド」のカヴァーも含め、ギターもボーカルも多少はジミヘン・ライクだが、あまりサイケ色が強くなく意外にスッキリしていて聴きやすい。楽曲自体はそれ程ポップでもなく演奏も熱いのだが、ブルース・ハードというよりはポップ・ハード的な趣で、スコーンと突き抜けないブリティッシュ的な煮え切らなさも味わいを生んでいる。ソロは勿論、オブリガードでもガンガン弾きまくるギターがともかくもカッコよく、全体にB級感も十分な好盤と思う。
輸入盤/限定プレス
(Pop Hard/Heavy Blues / Paper-Sleeve CD(2019 Re-master) / Big Pink Music/Korea)