UKのオーディオ・アーカイヴスから、73年の初出ライヴ音源4曲をボーナスで加えてのリシュー。初回限定でステッカーが封入されている。特にリマスター表記はないが、オリジナル・マスターからの新規マスターで、音質はクリアで迫力もあってよい。ハッケンサックは、後にタイガーやサムソンで活動するニッキー・ムーアが中心となって69年頃に結成されたグループで、本作は74年にUKポリドールからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、ムーア、レイ・スミス(ex.ヘッズ・ハンズ・アンド・フィート,etc)、ポール・マルチネス、サイモン・フォックスの4人編成が基本で、曲によって女性コーラス隊が入る。プロデュースはデレク・ローレンス。ブルースを基調とした勢いのよいポップ・ハードを展開していて、ムーアの太いシャウト・ボーカルのみならず、度を越して弾きまくるスミスのギターや、上手くてツボを押さえたリズム隊もいい味を出している。女性コーラス隊を従えて、ジョー・コッカーばりに盛上がるゴスペル調のナンバーも含め、あくまでもB級センスだがけっこうカッコよく、演奏も十分に上手くて上等。このバンド、フロントの2人も勿論悪くないが、何より、リズム隊のソリッドで重いハード・ロック然とした間が絶妙で、その意味ではもう少し低音の効いたミックスのほうがもっとよかったかも知れない。ともかくも、捨て難い味わいのB級ブルージー・ポップ・ハードの好盤で、オリジナルLPのバカ・プレミアム云々を抜きにしても、ハード・ロック愛好家なら素直に楽しめるのではと思う。この後、ムーアは前述したようにタイガーを経てサムソン、マンモス等へ、スミスはモットに加入。マルチネスはストレッチを経てペイス・アシュトン・ロードへ、フォックスはビー・バップ・デラックスへ。
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輸入盤
(Pop Hard/Blues,Funk / Jewel-case CD(2019) / Audio Archives/UK)