USAのドラッグ・シティから、限定アナログLPでのリリース。180g重量ヴィニール使用のLP盤で、見開き&コーティング・スリーヴ仕様の2枚組、表スリーヴにも使われたキム・キーヴァーの絵を各曲毎に1枚ずつ11枚掲載した分厚いリリック・ブックレット入。ジョアンナ・ニューサムはカリフォルニア州ネヴァダ・シティ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、本作は15年にリリースされたセクス・アルバム。前作「ハヴ・ワン・オン・ミー」から5年振りのフル・スタジオ作品。メンバーは、ボーカル、ハープ、ピアノ、メロトロン、シンセ、各種キーボードのジョアンナを核に、前作にも参加していたライアン・フランチェスコーニ、ダン・カントレル、ニール・モーガン、ジュディス・リンセンベルグの他、ケヴィン・ベイカー、ローガン・コアーレ、ピーター・ニューサム等々が曲によって参加している。ジョアンナとノア・ジョージソンの共同プロデュース。前作のケイト・ブッシュ的なプログレ調アンサンブルをさらに発展させた印象で、ハープやピアノ、メロトロン、シンセ等の上品な音色と、リコーダー、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ等のくぐもった響きが、内省的な雰囲気の中で見事なマッチングを見せる。一本調子のオン・リズムな曲はほとんどなく、1曲の中で各パートが出たり入ったりする少し複雑なアレンジだが、緩急の濃密さはちょっと圧巻で、非常に流暢で上質かつ上等な室内楽的アンサンブルを展開。この濃密さは、アシッド・フォークというよりは最早プログレ的様相だが、特にハープ、ピアノ、メロトロン、ギターレット等の音色のチョイスは絶品で、相変わらずメタファーの使い方が上手い切ない歌詞、語るように歌うボーカルの説得力、全体を覆う淡い哀愁と郷愁感、いずれも心地好く胸に染み込む文句なしの好盤と思う。素晴らしい!。
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輸入盤/限定プレス
(Acid Folk/Progressive,Chamber,Psyche / 180g Vinyl 2LP(2015) / Drag City/USA)