イタリア/EUのボンファイアー・レコードから、限定アナログLPでのリシュー。エクストラディションは69年にシドニーで結成されたグループで、多くのメンバーがタリーとの並行活動というか、タリーの別働隊的ユニットともいえるかも知れない。本作は、71年にオーストラリアのスウィート・ピーチ・レコードからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、シャイナ・カーリン、コリン・キャンベル、リチャード・ロックウッド、ロバート・ロイド、ケン・フィース、グラハム・ローンデスの6人編成、ガス・マクニール、ジミー・スチュワート、ダグ・アッシュダウンの共同プロデュース。例えば、フランスのZNR辺りに通じるサティ的な室内楽の要素と実験性、くぐもり感のある非常に端正で美しい女性ボーカル・フォークの要素が合体した感じというか、ノン・エレクトロニクスな音響系フォークとでも呼ぶべき、非常に上質で心地好いサウンドを展開。効果音として使われる水の音やチャイムスやハーモニウムを変容させたような音響的フラグメントが、極めて的確かつ効果的に鏤められていて、ダルシマやギター、ピアノ、女性ボーカル等々と絶妙のマッチングを見せる。スタリリッシュさとアングラ感が交叉する透徹感と静謐さは、例えば70年代中期のフランコ・バッティアートの一連の音響作品群にも通じる印象で、シャイナのボーカルのくぐもり感は絶品というか、ともかくも1曲目からノックアウトされる。アシッド・フォーク、エクスペリメンタル・フォーク、どちらの線でも文句なしの好盤と思う。素晴らしい!。
只今在庫切れとなってしまいました。ご予約オーダー・お問い合わせ等は、問い合わせフォームからお受けいたします。入荷見込み・時期など現在の状況を改めてお知らせいたします。
輸入盤/限定プレス
(Acid Folk/Psyche,Experimental / Vinyl LP(2021) / Bonfire Records/Italy,EU)