スペインのワウ・ワウ・レコードから、500枚限定アナログLPでのリシュー。見開きスリーヴ仕様。ベルント・ヴィットゥーザーは、ドルトムント近郊のヴィンターベルク出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)兼バスカーで、60年代中頃からライン地方を中心にプロテスト・シンガーとしてバスキング活動を始めた。68年9月の第1回エッセン・ポップ&ブルース・フェスティヴァルの開催にロルフ・ウルリッヒ・カイザーと共に関わり、その流れでウルリッヒ・カイザーが設立したオール・レーベルからデビューした。何より、バスキング活動の中で知り合ったヴァルター・ヴェストルップとのデュオ、ヴィットゥーザー&ヴェストルップ(W&W)や、コズミック・ジョーカーズでの活動で知られているかも知れない。本作は、70年にドイツのオールからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムだが、作曲もアレンジも演奏も全てヴィットゥーザーとヴェストルップの2人でやっていて、その意味では実質W&Wのプレ・ファースト的様相の内容(W&W名義のファーストは71年「トリップス+トロイメ」)。ヴィットゥーザーのアコースティック・ギター&ハーモニカの弾語りを基調に、ヴェストルップのフルートやトロンボーン、ウクレレ、シロフォン、ウォッシュボード、ボーカル等が適時絡むスタイルで、ドイツやロシア、北欧民謡調を交えた、路上バスキングの雰囲気を色濃く残すサウンドを展開。ドイツ語が解らないので確証はないが、搾取され続ける民衆の側から貴族や特権階級を揶揄するプロテスト・ソング方面らしく、もしそうなら、おそらくドイツの民衆寓話「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」にリンクするのではないかと思う。ちょっと寸劇調のユーモラスさと哀愁が交叉する楽曲と達者な演奏は、けっこう面白くて楽しめる。
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輸入盤/限定500枚プレス/デッドストック入荷
(Acid Folk/Psyche,Folk,German Trad / Vinyl LP(2009) / Wah Wah Records/Spain)