UKのメトロン・レコードから、限定300枚プレスのアナログLPでのリリース。小久保隆はキーボーティスト兼サウンド・デザイナー兼環境音楽家で、70年代のリング、80年代の平沢進(ex.P・モデル,etc)とのE・プロジェクト、自身のユニットのエレクトリック・ファンタジー、00年代の津田治彦と復刻したハル＆リング等を経て、現在は緊急地震速報のアラーム音や電子マネー「iD」の決済音などの制作の他、環境音楽のYouTubeチャンネルでも活動している。盛岡夕美子は東京都出身のピアニスト兼作曲家で、71年に高校生でアメリカに留学してヨルダ・ノヴィックにピアノを師事、79年にサンフランシスコ音楽学院を首席で卒業後帰国、クラシックのピアニスト以外に宮下智の名で田原俊彦や少年隊などに楽曲を提供した。87年にニュー・エイジ系アルバム「余韻（レゾナンス）」を発表後、アメリカ人との結婚を機に再度渡米してショコラティエに転身するが、近年帰国して再び音楽活動を始めたらしい。本作は、25年にリリースされた盛岡夕美子＆小久保隆名義のアルバムで、メンバーは、ピアノ＆キーボードの盛岡、シンセ、キーボード、フィールド・レコーディングの小久保の2人、プロデュースはブランドン・ホクラ、スーパーバイザーは山田次朗。山梨の小久保のログハウス・スタジオ「イオン」でレコーディングされていて、淡いシンセ＆キーボードのアンビエント空間に、ゆったりと静謐なピアノ、鳥や虫、カエルなどなどの鳴き声、雨や風などの自然音マテリアルが浮遊する、言葉通りの環境音楽調サウンドを展開。全体をそっと包み込むようなリヴァーブ感も含め、ともかくも非常に見事なサウンドスケープで、素敵なスリーヴも手伝って絶品の心地好さを堪能出来る好盤と思う。素晴らしい！。
輸入盤／300枚限定プレス
(Psyche/Minimal,Ambient / Vinyl LP(2025) / Metron Records/UK)
