USAのデイス・レコードから、限定アナログLPでのリシュー。ティム・ストーリーはペンシルヴァニア州フィラデルフィア出身のアンビエント／モダン・クラシック系コンポーザー兼マルチ奏者で、ソロ作品の他、ローデリウスやドワイト・アシュリーとの共演や数多のTV番組、映画のサントラを手掛けながら現在も活動を続けている。本作は、82年にフランスのアテムからリリースされる予定だったが、結局テスト・プレス盤制作中にオクラ入となった幻のファースト・アルバムで、ストーリー本人による21年新規リマスター音源、ダウンロード・コード・カード入、初のアナログ正規リリース盤。シンセ(ヤマハCS-30)、ピアノ、エレキ・ギター、テープ・ループ、エレクトロニクス、プロデュース等をマルチに熟す、ストーリー1人による多重レコーディング。ミニマル調、ドローン調、ニュー・エイジ調、オブスキュア調などなど、ある程度曲想のヴァリエーションはあるが、概ねアンビエントで括れる印象で、全体に涼やかでリラックス感十分のサウンド。モロにフリッパートロニクス的なギターや、ヤマハCS-30の音色のちょっとした懐かしさも含め、淡々とした木漏れ日系の情感が内省的な郷愁感に収束していて、ともかくも流していて心地好い。柔らかい美しさのグッド・トリップ系アンビエント好盤と思う。尚、アテムのテスト・プレス盤はスリーヴがなく、92年USAユーロックCD盤のスリーヴはトホホな感じだったが、トニ・ペコラーロのエッチングをあしらった本盤のスリーヴは素敵。
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輸入盤／限定プレス
(Psyche/Ambient,Drone,Minimal / Vinyl LP(2021 Re-master) / Dais Records/USA)
