UKのエソテリックから、限定アナログLPでのリシュー。180g重量ビニール使用のLP盤で、見開きスリーヴ仕様、19年新規リマスター音源(19年エソテリックCD盤とは違うLP用リマスター)。サード・イアー・バンドは、グレン・スウィニーとデイヴ・トムリンが60年代中期に結成していた、ジャイアント・サン・トロレイとハイドロゲン・ジューク・ボックスという2つのグループを母体として68年1月に結成され、その後独特のヒプノティック・ドローン・ミュージックを展開した、希有で素晴らしいグループ。本作は、69年にUKハーヴェストからリリースされたファースト・アルバムで、確か邦題は「錬金術」。メンバーは、スウィニー、ポール・ミンス、リチャード・コフ、メル・ディヴィスの4人編成を基本に、曲によってジョン・ピールとトムリンがゲスト参加、プロデュースはピーター・ジェナー。本人達自身も何処に向かって行くのか分かっていないだろう、着地点のイメージを固定しない即興演奏を主体とした、中世的で呪術的な万華鏡の如き古楽的アンサンブルを展開。「モザイク」、「ゲットー・ラーガ」、「ドゥルイド・ワン」の催眠的ドローン・チェンバーに始まり、晴れやかに美しい「ストーン・サークル」、最早あの世の音楽的な「エジプト死者の書」、ムックリ的ジュウズ・ハープが奇妙なアクセントを生む「エリア・スリー」、スライド・パイプの響きが幽玄な「ドラゴン・ラインズ」を経て、古楽ダンス・チューン的な「雲雀の飛翔」へと至り、無気味な余韻を残して幕を閉じる。全体に、呪術的な中世の闇の香り十分で、抽象的なのに演奏がリアルでスリリングという奇妙な心地好さの不思議な好盤と思う。EUプレス盤
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輸入盤/限定プレス
(Psyche/Progressive,Experimental,Drone / 180g Vinyl LP(2019 Re-master) / Esoteric Recordings/UK,EU)