USAのスリル・ジョッキー・レコードから、限定アナログLPでのリリース。メアリー・ラティモアはフィラデルフィア出身のハープ奏者で、本格的なコンサート・ハープとエレクトロニクス&エフェクトを組み合わせた、独特の音響系アンビエント・サウンドを展開する。17年以降は活動拠点をロサンジェルスに移したようだ。ジェフ・ジーグラーもフィラデルフィア出身のミュージシャン兼エンジニアで、ザ・ウォー・オン・ドラッグスやカート・ヴァイル等のプロデューサーとしても知られているかも知れない。本作は、16年にリリースされた2人のデュオ名義サード・アルバムで、2人はアマチュア時代から旧知の仲だったらしい。タイトルの通り、フィリップ・ガレル監督の68年の映画「Le Revelateur」にインスパイアされて制作した、架空サントラ的様相の作品集で、メアリーのハープと、ジーグラーのシンセ、ギター、キーボード、エフェクトによる、アンビエント音響サウンドを展開。ドローン感を担保しつつ、淡い木漏れ日のようなハープや、夕暮れ的情感のメロディカの音色を随所に鏤め、シンセのホワイトノイズやギターのフィードバックノイズをセンスよく絡ませた、ともかくも非常に心地好いサウンド。メロディ、アルペジオ、ノイズ等々の全てが、ある種の郷愁感や悲しさに淡々と収束していく感じで、美しさのなかに心の葛藤やドラマが見え隠れする独特の世界観という印象。モチーフとなった映画はモノクロで、日本未公開ということもあって内容はわからないが、この世界観は映画のものなのかも知れない。ともかくも、正しくサイケで美しい好盤と思う。
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輸入盤/限定プレス/デッドストック入荷
(Psyche/Ambient,Drone,Electronics / Vinyl LP(2016) / Thrill Jockey Records/USA)