USAのヌメロ・グループから、限定アナログLPでのリシュー。17年の配信音源と同じ新規リマスター音源を使用。ドン・スレピアンはアメリカ人電子音楽家兼エレクトロニクス奏者で、ハワイ大学で電子音楽コースを修得後、ベル研究所にエンジニアとして勤務するかたわら、70年代前半からシンセ・ミュージックの作曲／制作を開始、78年に最初の作品をカセットでリリースして以降、現在も活動を続けている。ニュー・エイジ方面では、『シンセ・ウィザード』として知る人ぞ知る存在。本作は、80年にUSAプリュメラ・プロダクションから自主制作カセット作品としてリリースされたアルバムで、おそらくサード・アルバムと思われる。ベル研究所のハル・アレスが設計したアレス・デジタル・シンセサイザーを軸に、一部コルグPS3100、ピアノ等も交えた、アンビエント・ドローン・シンセ・サウンドを展開。全体に、スペイシーなホワイトノイズとドローン・フラグメントが、オーロラのような重層的な波がうねりながら緩やかに変化していく感じで、ともかくも流していて非常に心地好いサウンド。特に主軸となるメロディはなく、基本的には唯々ドローンのうねりとホワイトノイズの嵐だが、涼やかなニュー・エイジ調の肯定感を伴いながら、どこまでも空間が拡がっていく感覚の連続で、優れて瞑想的で正しくサイケなグッド・トリップ系の好盤と思う。
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輸入盤／限定プレス
(Psyche/Ambient,Drone,Electronics / Vinyl LP(2019 '17Re-master) / Numero Group/USA)
