UKのシーリー・コート・デジタルから、テクスチャー紙見開きデジスリーヴでのリシュー。21年新規リマスター盤、380枚限定プレス、多分正規初CD化。モティーフは、ハートフォードシャー州オルバンズ出身のグループで、セント・オルバンズ・スクールの高校生バンドとしてスタートした。この後アージェント等のジョン・グリマルディが在籍していたことや、オリジナルLPが6ケタを超えるコレクターズ・アイテムとしても知られているかも知れない。本作は、72年にUKデロイから99枚プレスの自主制作盤としてされた唯一のアルバムで、オリジナルLPのスリーヴをモチーフとした新装スリーヴ。メンバーは、グリマルディ、マイク・エーヴリー、クェンティン・ブライアー、イアン・ウィルソン、デヴィッド・シャックリー、マーク・パスターフィールドの6人編成で、プロデュースはケネス・ケンシー・ボーン。概ね、ジャズ・ロックとシンフォニック・プログレをサイケで括ったような、煮え切らなさ十分のインストを軸としたサウンドを展開していて、畳み掛けるアレンジと盛り上がるインプロが妙な味わいで交叉。主にエレピとリズム隊が骨格を担い、ギター、フルート、サックスがソロも交えながら適時フロントを張る感じで、ギターのハード感と管楽器のジャジーさ、エレピ&リズム隊のプログレ感が、ミスマッチ的絡みのままそれなりに盛り上がる様は、わりと独特でけっこう面白かったりする。おそらく一発録りスタイルで少しこもり気味の音質だが、自主制作レベルとして演奏は上手く、特にグリマルディのギターは既に達者で、B級プログレ系愛好家なら楽しめると思う。この後、グリマルディとシャックリーはフラックスを結成、さらにグリマルディはアージェントへ。
輸入盤/限定380枚プレス
(Progressive/Jazz Rock,Symphonic,Psyche / Digi-Sleeve CD(2021 Re-master) / Seelie Court Digital/UK)