UK/EUのキャデラック・ミュージックから、72年の未発表ライヴ音源2曲(3,4曲目)をボーナスで加えての、限定ペーパースリーヴでのリシュー。キャデラック・レーベル50周年記念見開き紙ジャケ仕様。マイク・ウエストブルックはバッキンガムシャー州ハイ・ウィカム出身のピアニストで、63年にロンドンに上京してジョン・サーマンと共にセクステットを結成、以後はマイク・ウエストブルック・コンサート・バンドやソロ名義等々で現在も活動を続ける、ブリティッシュ・ジャズのビッグ・ネームの1人。本作は、73年にUKキャデラック・レコードからリリースされたライヴ・アルバムで、メンバーは、ウエストブルック、ゲイリー・ボイル、ジョージ・カーン、ブッチ・ポッター、アラン・ジャクソンの5人編成。1,5,6,7曲目が72年1月15日のタヴィストックのケリー・カレッジ、2曲目が2月23日のロンドンのフェニックス、3,4曲目が72年1月の場所不明となっていて、ボーナスも含めすべて72年1~2月のツアーからのライヴ音源。このクィンテット編成は、このツアー時のみの編成だったらしく、当初ネオンからのリリースが予定されていたが、音質の問題によりインディ・レーベルのキャデラックからのリリースとなったようだ。音質はそれ程問題なく聴くには十分で、ブルージーな1曲目、フリーフォームな2曲目、スピリチュアル・ジャズ的な3,4曲目、スペイシーな5曲目、ギター炸裂の6曲目、「メトロポリス」のリフを継承した7曲目と、それぞれ趣きの違う楽曲が並ぶ。全体に、スポンティニアスな緊張感と一体感のある演奏は素直にカッコよく、雰囲気のよい見事なコール&レスポンスを堪能出来る。ともかくも、リズム隊のキレのよさとギターの炸裂感、管楽器の緩急が素晴らしい好ライヴ盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Free Jazz / Paper-Sleeve CD(2023) / Cadillac Music/UK,EU)