UKのディスカス・ミュージックから、ペーパースリーヴでのリリース。3面開き紙ジャケ仕様。キース・ティペットはブリストル出身のピアニストで、キース・ティペット・グループを始めとして、センティピード、オヴァリー・ロッジ、キース・ティペットズ・アーク、ドリームタイム、ミュージシャン等々のリーダー・バンドの他、エルトン・ディーンズ・ナインセンス、ハロルド・マクネア、ルイス・モホロ、ドゥドゥ・プクワナ、ヒュー・ホッパー、スタン・トレイシー、キース・クリスマスなどとの数多のセッション&ソロ活動を、20年に他界するまで続けたビッグ・ネーム。プログレ系のリスナーには、何よりキング・クリムゾンでの活動で知られていると思う。ジュリー・ティペット(ドリスコール)はロンドン出身の女性シンガーで、スティームパケット、ブライアン・オーガー&ザ・トリニティ等で活動後、キースと結婚してドリスコールからティペットに改名した。本作は、23年にリリースされた夫妻名義のアルバムで、88年「カップル・イン・スピリット」、97年「カップル・イン・スピリット II」、10年「ライヴ・アット・ザ・パーセル・ルーム」に続く「カップル・イン・スピリット」シリーズ第4弾、リリック・インサート入。キースの他界によって一旦レコーディングが頓挫したが、キースの70~90年代の未発表マテリアル(ピアノ,チター,声,オルゴール,パーカス)に、ジュリーがオーヴァーダブ(ボーカル,声,チター,オルゴール,パーカス)する形で制作、プロデュースはディスカスのオーナーのマーティン・アーチャー。インプロを軸としたスピリチュアルなフリー&アヴァン・ジャズ方面変わらずだが、これはもうジュリーによるキースへの弔いというか鎮魂歌に聞こえる。いつにも増して静謐なダーク感が心地好い。合掌!
輸入盤
(Progressive/Free Jazz,Experimental / Paper-Sleeve CD(2023) / Discus Music/UK)