UKのジャズ・イン・ブリテンから、デジパックでのリシュー。ジョン・テイラーはマンチェスター出身のジャズ・ピアニストで、64年にロンドンに移住後本格的な活動を開始、ブリティッシュ・ジャズの中ではマイク・ウエストブルックやマイケル・ガリックの次世代を代表するピアニストの1人。一時期はノーマ・ウィンストンの旦那さんで、そのノーマとケニー・ウィーラーとのアジマスでの活動でもよく知られているかも知れない。本作は、75年にUKジャガーからカセット・テープのみでリリースされたジョン・テイラー・セクステット名義のアルバムで、リーダー作品としてはサード・アルバムとなる。メンバーは、テイラー、ウィーラー、スタン・サルツマン、クリス・パイン、クリス・ローレンス、トニー・レヴィンのセクステット編成、プロデュースはジョン・サーロー。概ね、モーダルなブリティッシュ・ジャズの典型的なサウンドという印象で、存外にロック色が内包されたバンド感十分のアンサンブルが、アンバーなエレガントさとくぐもり感、ユーロ・ジャズ方面の夕暮れ感に収束。ピアノよりむしろエレピを主軸としたテイラーの演奏が、饒舌でノリのよいリズム隊やスマートに棲み分けするブラス隊によく映えていて、ジャズ然としたコール&レスポンスも非常に上等。ある程度クールさを担保しつつも、それなりに炸裂感を伴った盛り上がりはわりと素直にカッコよく、ハミ出し感と寸止め感のせめぎ合いが結果としてスタイリッシュな緊張感を生んでいる感じで、その辺りがけっこう面白くて楽しめる好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Jazz,Jazz Rock / Digi-Pack CD(2022) / Jazz In Britain/UK)