UKのフレッジリング・レコードから、16年新規リマスター&デジパックでのリシュー。ジョン・サーマンはデヴォン州タヴィストック出身の管楽器奏者で、サックスを主軸としながらもクラリネットやリコーダーの他、コントラバス、ピアノもマルチに熟す。自身のトリオ、クァルテット、クィンテット、S.マーティンとのザ・トリオ、A.スキッドモアとのS.O.S.等や、マイク・ウエストブルック、クリス・マクレガー、ジャック・ブルース等々、幅広い共演で知られるブリティッシュ・ジャズのビッグ・ネーム。本作は、73年にUKアイランドからリリースされたフォース・アルバムで、モーニング・グローリー名義だがサーマンが全曲を作曲したリーダー作品。メンバーは、サーマン、マルコム・グリフィス、テリエ・リピダル、ジョン・テイラー、クリス・ローレンス、ジョン・マーシャルのセクステット編成、サーマンとピーター・エデンの共同プロデュース。73年3月12日に、カンタベリーのマーロウ・シアターで行われたライヴ音源で、1コードのハイテンション・インプロを軸とした圧巻の演奏を堪能出来る。フリー・フォームな要素をある程度担保しつつ、管楽器が提示するテーマをきっかけにコール&レスポンスが展開され、盛り上がりっぱなしのベース&ドラムに載せて、サックス、トロンボーン、ギター、エレピが縦横に切り込んでくる様は素直にカッコよく、炸裂感十分のジャズ・ロック的好盤と思う。全員凄いが、中でもリピダルのギターが印象深い。
輸入盤
(Progressive/Free Jazz,Jazz Rock / Digi-Pack CD(2016 Re-master) / Fledg'ling/UK)