イタリアのエンドレス・シーズン／ピック・アップ・レコードから、デジパックでのリリース。エンドレス・シーズンはヴィチェンツァ近郊のバッサーノ・デル・グラッパ出身のグループで、マッド・フェラッツのパオロ＆マルコ・ブサット兄弟と、ヒューマン・プルーフのロレンツォ・ディ・プリマが中心となって14年に結成されている。本作は、16年にプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされたファースト・アルバムで、ピック・アップ・レコードのデストリビューション。メンバーは、ブサット兄弟、ディ・プリマ、マルチェッロ・サンバターロ、アレッサンドロ・ブルネッタの5人編成。概ね、変拍子を交えたバカテク・ジャズ・ロック方面のインスト・サウンドを展開していて、非常に軽快で涼やかなアンサンブルを堪能出来る。フュージョンと呼べる程のキャッチーさではなく、適度にプログレ色を内包したジャジーな楽曲と、端正でノリのよいロック調の演奏のマッチングは、言葉通りのクロスオーヴァーという印象。ともかくもリズム隊が堅固で上手く、ドラムの達者さとベースの饒舌さは素直に圧巻だが、スライドも交えたギターのロック感がいい塩梅のアクセントになっていて、全員が一体となって盛り上がる様はバンド感十分でかなりカッコいい。時折ベースのソロが饒舌過ぎていやらしい程だが、テクニカルさや洗練感は完全に自主制作の域を超えていて、全体にエレガントで地中海音楽的陽光感がクールでスタイリッシュな空気感に収束。イタリアン・ジャズ・ロック・プログレ系の線としては、わりと文句なしの好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Crossover / Digi-Pack CD(2016) / Endless Season/Pickup/Italy)
