国内のソニーから、Blu-specCD2&19年新規リマスター、限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様、オリジナル・インナーバッグ入、ライナーは祖父尼淳、歌詞・対訳付、『プログレッシヴ・ロック・ペーパー・スリーヴ・コレクション Vol.1/イタリアン・ロック』シリーズ。アレアはミラノ出身のグループで、デメトリオ・ストラトスやパトリツィオ・ファリセッリが中心となって72年に結成されている。ギリシア人であるデメトリオのバルカン地方の伝統歌唱スタイルを取り入れた独特のボーカルと、世界でもトップクラスであろう尋常ならざるバカテクな演奏が錯綜する、イタリアン・プログレ屈指の変態感を放つ唯一無比で希有なビッグ・ネーム。本作は、75年にイタリアのクランプスからリリースされたフォース・アルバムで、邦題は「アレアツィオーネ」。メンバーは、セカンドから不変のデメトリオ、ファリセッリ、パオロ・トファーニ、ジュリオ・カピオッツォ、アレス・タヴォラッツィの5人編成。75年のミラノやナポリでのライヴ音源を収録したライヴ作品で、このバンドのライヴが圧巻&炸裂なのはきっといつものことなのだろうが、それにしても本当に凄い。一貫してテンションが高く、変拍子とポリリズムを交えた複雑なアレンジ、一糸乱れぬ文句なしのアンサンブル、地中海音楽色に加えザッパと同等かそれ以上の、人を喰ったシャレっ気とユーモア満点の楽曲を涼しげに展開する演奏は、いつ聴いてもスカっと心地好くカッコいい。コミュニズムのプロパガンダらしき歌詞も、イタリア語がわからないので全然気にならなず(わかる人はそれなりに・・・)、「7月・8月・9月」や「オデッサの林檎」、「アレアツィオーネ」などの著名曲も含め全曲圧巻&炸裂の文句なしの大好ライヴ盤と思う。余談だが、「オデッサのリンゴ」で林檎を下品に食べているのは、デメトリオではなくファリセッリと思われる。えらいカッコよし!。
国内盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)/限定プレス
(Progressive/Jazz Rock,Psyche / Paper-Sleeve Blu-spec CD2(2019 Re-master) / Sony Music/Japan)