UKのエソテリックから、13年新規リマスターでのリシュー。ボブ・ダウンズはデヴォン州プリマス出身の管楽器奏者で、フルートとサックスを中心に各種パーカスやボーカルもマルチにこなし、前衛ジャズ畑に軸足を置きながらも、ロック、ブルース、ファンク、民族音楽、中世古楽等々の要素を取り入れ、ボーダーレスな活動を展開した。ボブ・ダウンズ・オープン・ミュージック(BDOM)のリーダーとしても知られていると思う。本作は、BDOM名義の2枚のアルバムを経て、70年にUKミュージック・フォー・プレジャーからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、クレジット・メンバーは、サックス、フルート、ボーカルのダウンズを中心に、BDOMでもお馴染みのレイ・ラッセル(ex.ロック・ワークショップ,ランニング・マン,ショパン,etc)、クリス・スペディング(ex.ニュークリアス,バタード・オーナメンツ,シャークス,etc)、ハリー・ミラー(ex.センティピード,オヴァリー・ロッジ,マイク・ウエストブルック,ナインセンス,ブラザーフッド・オブ・ブレス,etc)、アラン・ラシュトン、デレク・ホッグの他、ピーター・ビラム、ローリー・アラン(ex.ロバート・ワイアット,ゴング,フォーマリー・ファット・ハリー,etc)が曲によって参加、作詞とポエトリー・リーディングはロバート・コックバーン。BDOMより楽曲がブルージーで解りやすいキャッチーさがあって、ダウンズの太いボーカルとエスニック色のある管楽器が、ハード&サイケなギターと妙なマッチングを見せる。リズム隊はジャズ・ロック的だが、けっこう弾きまくるギターはストレートにブルージーでギラギラ感満点、フルートは概ね涼しげでサックスは暑苦しく、ボーカルは意外と堂々としていてハマりがいい。ブリティッシュ然としたB級感を放つブルージー・ジャズ・ロック系として、わりと素直にカッコいい好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Jazz Rock,Blues / Jewel-case CD(2013 Re-master) / Esoteric/UK)