国内のP・ヴァインから、限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、スペインのソモール・レコードCD盤の22年新規リマスター音源を使用。オラン・ウータンは、メンバー等のクレジットも一切なく基本的には正体不明だったが、ロンドン出身のハンターがアルバム制作後にバンド名を変えたグループということらしい。本作は、71年にUSAベルからメンバーに断りなく勝手にリリースされたという唯一のアルバムで、邦題は「オラン・ウータン」、おそらくソモール版CDと同じ英文ライナー付、日本語ライナーは山崎智之。メンバーは、テリー・クラーク(ex.ジェイソン・クレスト,etc)、ミック・クラーク(ex.キリング・フロアー,etc)、シド・フェアマン、ポール・ロバーツ、ジェフ・セオパルディーの5人編成、プロデュースはホワイトリーフ・プロダクション。概ね、ブルースを基調としたキャッチーなハード・ロックを展開していて、B級感漂う下品なブルース色とカラっとしたポップネスが、何とも絶妙のバランスで上手いマッチングを見せる。ツイン・ギターのブルージーなリフ&フレーズは、シンプルかつハード・ロック然としていて、わりと弾きまくるソロも流暢で素直にカッコよく、ドカスカ&ウネウネのリズム隊のハマりもよい。素晴らしく上手いわけでもなく、ヘヴィネス全開のゴリゴリ骨太系でもないが、このちょっとルーズでエッチなハードネスとヘヴィネスは、嫌味のないポップネスと浮上出来ないアングラ感が交叉する70年代初期のハード・ロックの魅力十分で、確実にB級の捨て難さを放つ。ブルース・ハード系愛好家なら、まずもって楽しめるだろう好盤と思う。本作後バンドは解散、テリーはジェイソン・クレストの僚友達とホーリー・マッケラルを結成、ミックはジョン・ロード&トニー・アシュトンやロング・ジョン・ボールドリー等のバック・バンドへ、セオパルディーはパシフィック・イアードラムやゲイリー・ボイルのバック・バンドへ。カッコよし!。
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P・ヴァイン盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Blues Hard/Blues,Psyche,Pops / Paper-Sleeve CD(2022 Re-master) / P-Vine Records/Japan)