スペインのヴァンピ・ソウルから、72年のアルバム未収シングル1曲をボーナスで加えての、デジパックでのリシュー。多分初CD化。トーテムは、アルゼンチンのブエノスアイレス在住のウルグアイ人ミュージシャン達によって結成されたグループで、本作は71年にウルグアイとアルゼンチンのディスコス・デ・ラ・プランタからリリースされたファースト・アルバム。メンバーは、ルベン・ラダ、エドゥアルド・ウセタ、エンリケ・レイ、ダニエル・ラガルデ、ロベルト・ガジェティ、チチート・カブラルの6人編成で、いわゆるカンドンベ・ロックのハード・ロック寄りサウンドを展開(カンドンベは、モンテビデオのアフリカ系住民が始めた、バントゥー・アフリカ、キューバ、ブラジルの民族音楽、アルゼンチンのタンゴの要素が融合した音楽で、カンドンベ・ロックはそのロック版)。ウセタ、ラガルデ、ガジェティはジャズの教育を受けていて、ジャズ・ロック的プログレ感が担保された楽曲とアレンジが、ハード・ロック感に収束する感じで、カンドンベ調のパーカスも相俟ってちょっと独特のゴッタ煮を放つ。太くて暑苦しいボーカル、歪みの薄いツイン・ギター、メロディアスなベース、ジャジーなドラム、達者なパーカスによる演奏は濃密で、南米系のヨレやダメダメ感がほとんど感じられず、上手くて素直にカッコいい。ギターが歪んでないのにハード・ロック調に聴こえるという意味でも面白く、カンドンベ色からくる南米テイストも十分で、ハード、サイケ愛好家も、プログレ愛好家もけっこう楽しめる好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Psyche,Progressive / Digi-Pack CD(2004) / Vampi Soul/Spain)