アルゼンチンのフォノカルから、13年リマスターでのリシュー。多分初CD化。パハロことパハリト・ザグリはブエノス・アイレス出身のボーカリスト兼ギタリストで、ロス・ビートニクスやラ・バッラ・ジ・ショコラーテ、ピエル・ジ・プエブロ等での活動で知られる、アルゼンチンのロック・シーンではビッグ・ネームの1人。本作は、76年にアルゼンチンのパルナソからリリースされたソロ名義唯一のアルバム(発掘音源は除く)で、75年~76年にかけてレコーディングされたマテリアルが収録されている。メンバーは、ボーカルのパハロを中心に、クベロ・ディアス、ウィリー・ペデモンテ、ルディ・マルコロンゴ、エデュアルド・バジェホス、ガストン・クビジャス、トポ・ダロイージオ、ダニエル・ベイセマン、ギジェルモ・ミゴヤ、パッポ等々が曲によって参加。時折ボブ・ディランやショーケンみたいになる主役のボーカルはおいといても、ディアス、ペデモンテ、マルコロンゴ、バジェホス達のギターは強力で、常に誰かが炸裂または弾きまくっていて、これだけでもハード・ロック系愛好家はかなり楽しめると思う。また、太くてドライヴ感のあるベースも秀逸で、パッポのオルガン&ピアノもいい味だしていて、ドラムの疾走感も十分。楽曲自体はハード・ロックといよりブルース・ロックやロックン・ロール調だが、全体に演奏がヘヴィでノリがよく、ともかくもギターとベースは文句なしにカッコいい。日本での知名度は低いかも知れないが、この線としてはけっこうな掘出し物的好盤ではないだろうか。
輸入盤/入荷不安定
(Blues Hard/Blues,Rock'n'Roll / Jewel-case CD(2013 Re-master) / Fonocal/Argentina)