アルゼンチンのフォノカル・ディスコスから、22年リマスターでのリシュー。多分初CD化。オリオンズ・ベートーベンはブエノス・アイレス出身のグループで、アドリアンとロナンのバル兄弟が中心となって68年に結成されている。本作は、77年にアルゼンチンのポリドールからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのバル兄弟、ホセ・ルイス・ゴンザレスの3人に、新たにペティ・ゲラチェを加えた4人編成を基本に、曲によって適時チェロ、メロトロン、エフェクト、バック・ボーカル等々のゲスト参加がある。ガレージ・サイケ、ハード、アート・ロックのゴッタ煮調だった前作から、はっきりとハード・ロック調にシフトしていて、ヘヴィ・プログレ色も担保された重厚かつ濃密なサウンドを展開。ブルース基調の楽曲、プログレ調アレンジ、ハード・ロック・マナーの演奏が、非常にいい塩梅のバランスでハイブリットされていて、ゴリゴリとブイブイが交叉するバンド感十分。太いシャウト・ボーカル、ギラギラのファズ・ギター、重いベース、ドカスカのドラムが一体となってドライヴする演奏はわりと素直にカッコよく、曲によってはブラック・サバス的ヘヴィネスが顕れている印象。時折聴こえるアコギの情感アルペジオなども含め、全体にイタリアン・ロックに近似するハードとプログレの折衷感で、少し荒削りなテイストのアンサンブルの下品さは、非常に味わい深くて素敵。ハード&サイケ系愛好家は勿論、この暑苦しいヘヴィネスはイタリアン・プログレ愛好家もかなり楽しめるだろう好盤と思う。カッコよし!。
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輸入盤
(Blues Hard/Psyche,Progressive,Blues / Jewel-case CD(2022) / Fonocal/Argentina)