イタリアのAMSから、71年のアルバム未収シングル両面2曲(B面はジェスロ・タルのカヴァー)をボーナスで加えての、15年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。マット紙&見開き紙ジャケ仕様、インサート入。イ・テオレミはローマ出身のグループで、マリオ・シリロとアルド・ベッラノヴァが中心となって70年に結成されている。本作は、72年にイタリアのポラリスからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、シリロ、ベッラノヴァ、ヴィンチェンゾ・マセッティ、クラウディオ・マストラッキの4人編成。マセッティはナポリ出身で、すでにロード・エンゾの名で68年にデビューしていて、それなりに知られた著名ソロ・シンガーだったようだ。そのマセッティの突き刺さるようなハイトーン・シャウト・ボーカルを軸に、下品に唸るファズ・ギター、ブイブイと無駄に弾きまくるベース、ドカスカ&バタバタのドラムによる演奏は、かなり典型的なこれぞイタリアン・ロックといった印象。ラウドで炸裂しっぱなしの感じはある意味痛快で、演奏はほぼハード・ロックだが楽曲に妙なプログレ色があって、特にベース・ラインの字余り感はけっこう個性的というか、このベースのハミ出し具合が、同系統のニュー・トロルスやオザンナ、プロセッション、イル・バレット・ディ・ブロンゾ辺りとの違いの要因となっている感じ。終始ハイテンションな畳み掛けるアレンジで疾走し続けるヘヴィネスは、ともかくも圧巻で素直にカッコいい。あまり知名度のないグループだが、イタリアン・ロック愛好家のみならず、ハード・ロック愛好家もけっこう楽しめるだろう、ギラギラ感とB級感、暑苦しさ満点の好盤と思う。ベッラノヴァはこの後サマディへ。人脈図付
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輸入盤
(Progressive/Hard,Psyche / Paper-Sleeve CD(2015 Re-master) / AMS/Italy)