国内のアルカンジェロから、500枚限定ペーパースリーヴでのリシュー。テクスチャー・エンボス紙＆見開き紙ジャケ仕様、21年新規リマスター盤。フランス革命ジャコパン党のロベスピエールの片腕にして、美形過激派だったサン・ジュストの名前を冠するこのグループは、何よりアラン・ソレンティの妹のジェーン(ジェニー)・ソレンティが在籍していたことで知られていると思う。本作は、73年にイタリアEMIハーヴェストからリリースされたファースト・アルバムで、邦題は「聖なる者たち」、ライナーは岩本晃一郎。メンバーは、ジェーン、アントニオ(トニー)・ヴェルデ、ロベルト・フィクスの3人を軸に、多くの曲でジャンニ・ジュアラッシーノ、マリオ・ダモーラ、アントニオ(トニー)・エスポジト、アランがゲスト参加。独特のくぐもり感を放つ、ダークかつナポリ的哀愁のサイケ・プログレ・サウンドを展開していて、リリカルな12&6弦アコースティック・ギターとピアノ、乾いたサックス、印象的なラインのベース、エスポジトのジャジーなドラムに、兄貴を彷彿させるちょっとヨレたジェーンのボーカルが絡む。クラシカルなチェンバー的要素もチラホラと垣間見えたり、いかにもイタリアン・プログレ的な盛り上がりも見せたりと、全体にプカプカと浮世離れした感覚を放っていて、全体の濃密な未整理感やアングラ感、サイケなダークネスはほぼ満点。オザンナやイル・パエーゼ、兄アランの初期辺りに通じるナポリ的暗黒感や、味わい深いスリーヴの佇まいも含め、ハマるとクセになる好盤と思う。ともかくも、このイタリア的洗練感を飛び越えた、ジャーマン・ロックにも近似するサイケ感は非常に面白い。
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アルカンジェロ盤／限定500枚国内プレス(LTD.500 Japanese-pressing CD)
(Progressive/Psyche,Chamber,Acid Folk / Paper-Sleeve CD(2021 Re-master) / Arcangelo/Japan)
