国内のアルカンジェロから、500枚限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、21年新規リマスター盤。フランス革命ジャコパン党のロベスピエールの片腕にして、美形過激派だったサン・ジュストの名前を冠するこのグループは、何よりアラン・ソレンティの妹のジェーン(ジェニー)・ソレンティが在籍していたことで知られていると思う。本作は、74年にイタリアEMIハーヴェストからリリースされたセカンド・アルバムで、邦題は「岸辺にある家」、リリック・インナーバッグ入、ライナーは岩本晃一郎。メンバーは、前作からからのジェーン、トニー・ヴェルデに、新たにティト・リネシ、アンドレア・ファチェンダ、フルヴィオ・マラスを加えた5人編成を基本に、曲によってヴィンス・テンペラのアレンジと思われる弦・管楽器が入る。プロデュースはコルラド・バッケーリ。少しタガのハズれた感じのジェーンのボーカルと、相変わらずウネウネしたトニーのベースを軸に、アシッド・フォークとチェンバー・ロックをサイケで括ったような、前作のダーク・プログレ調を担保しつつも、アレンジに整合性が顕われていて、未整理なカオティック感がロック然としたバンド感に変化している印象。その意味では聴きやすくなったというか、おそらくテンペラの手腕も一役買っていて、ナポリ的中世感、アラビック色も内包した地中海音楽感、猥雑なサイケ感が妙な塩梅で交叉。例えば、初期アラン・ソレンティやオザンナ辺りと同じ香りのナポリ的ハミ出し感十分で、ダークネス基調のイタリアン・プログレ系好盤と思う。
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アルカンジェロ盤/限定500枚国内プレス(LTD.500 Japanese-pressing CD)
(Progressive/Psyche,Chamber,Acid Folk / Paper-Sleeve CD(2021 Re-master) / Arcangelo/Japan)