USAのライオン・プロダクションから、14年新規リマスター&デジパックでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。イル・バレット・ディ・ブロンゾは69年にナポリで結成されたグループで、同年にシングル「ネーヴェ・カルダ(本作収録)」でデビュー、サイケ・ハードな「シリウス2222」、ヘヴィ・シンフォニックな「Ys」の2枚のアルバムをリリースして73年に解散した。本作は、70年にイタリアRCAからリリースされたファースト・アルバムで、邦題は「シリウス2222」。メンバーは、マルコ・チェチオーニ、リノ・アイイェーロ、ミキ・クパイオーロ、ジャンキ・ストリンガの4人編成で、プロデュースはマリオ・ザンパ。この「ネーヴェ・カルダ」が、少しレッド・ツェッペリンの「コミュニケイション・ブレイクダウン」っぽいので、その線によせて紹介されることも多いようだが、全体的には別にそれ程ゼップっぽかったりはせず、むしろ圧倒的にサイケ色が強い印象。曲のカッコよさなら明らかに1曲目や4曲目のほうが勝っている感じで、唯一のクラシカル抒情ナンバー「メディタツィオーネ」に焦点をあてて、セカンド「YS」に収束させながら語ろうとするのも無理矢理感満点。ドカスカのリズム隊、下品なファズ・ギター、甘めのシャウト・ボーカルによる演奏はイタリア的炸裂感があって、適度にキャッチーな楽曲も含め素直にカッコいいブルージー・サイケ・ハード系の好盤と思う。本作後、チェチオーニとクパイオーロが脱退、チェチオーニはモビィ・ディックへ。残ったアイイェーロとストリンガは、新たに元チッタ・フロンターレのジャンニ・レオーネを加えて「YS」をリリースすることになる。カッコよし!。TESオビ・解説/人脈図付
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Hard,Blues / Digi-Pack CD(2014 Re-master) / Lion Pro./USA)