ドイツのラゾールから、74年のセカンド「ハイウェイ・ドライバー(1~7曲目)」と77年のフォース「ファスト/フォーワード(8~16曲目)」の、カップリング2in1CD&07年リマスターでのリシュー。多分フォースは初CD化。ランディ・パイはハンブルク出身のグループで、元ラットルズやガッシュのメンバー達が中心となって73年に結成されている。メンバーは、セカンドがベルント・ヴィピッヒ、ヨッヘン・ペーテルゼン、ジャン・ジャック・クラヴェッツ(ex.フランピィ,etc)、ヴェルナー・ベッカー、ティジー・ティールス、ディッキー・タルラッハの6人編成、フォースがクラヴェッツ、ティールス、タルラッハ、ピーター・フレンチ(ex.リーフ・ハウンド,アトミック・ルースター,カクタス,etc)、フランク・ディーズ(ex.アーマゲドン,アトランティス,etc)の5人編成。
クラヴェッツが加入してツイン・キーボード編成となったセカンドは、ファーストにも増してファンク色が強くなっていて、ほとんどドイツのバンドとは思えない洗練されたポップネスを放つ。ハード・ロックというよりハード・ファンクといった印象だが、マイナー展開のブルージーなナンバーが多くて脳天気さはなく、ファンク色とヨーロッパ的な湿った情緒感が上手いマッチングを見せる。1曲目のイントロの2台のエレピの絡みからノックアウトされる、真っ当なアレンジと上手い演奏で聴かせる上質な1枚。
フレンチが加入したフォースでは、ハード・ファンク調の基本路線に変化はないものの、フレンチのボーカルがやはりハード・ロックしてることもあって、ファンキーなポップ・ハードまたはAORハードといった趣きの仕上がり。ギターが全作品中最も目立っていて、楽曲はシンプルなロック・ナンバーが多くなっているが、その分ハード・ロック的勢いが増していてわりと上々の出来という印象。2作品とも、非常に上手いエレピやクラヴィネット、オルガン等のキーボード群と、メロディアスなラインでドライヴする流暢なベースが演奏の骨格をなしていて、そこにブルージーなギターが絡んでくる玄人好みのタイプで、ともかくも上手くてカッコいい。ハード・ロック愛好家でも十分に楽しめると思う。フォース後グループは解散、フレンチは78年にソロ・アルバムをリリース。尚、リバーシブル・スリーヴ仕様で、2作品とも単独スリーヴがプリントされている。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues&Swamp/Pub Rock,Funk,Blues,AOR,Hard / Jewel-case CD(2007 Re-master) / Razor/German)