ドイツのペイズリー・プレスから、22年新規リマスターでのリシュー。多分初CD化。ミィドソンマルはイェーテボリ近郊のメンダール出身のグループで、ハンス・オルソンやレンナルト・アンドレアンが中心となって70年頃に結成されている。本作は、71年にスウェーデンのガゼルからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、オルソン、 ドン・ピル、レグ・ワード、アンドレアン、ペデル・スンダール、ウェイン・ペッテションの6人編成。ハード・ロック・マナーの演奏と、プログレ調のアレンジと楽曲が妙なマッチングを見せる、なかなかにちょっと面白いプログレ・ハード的サウンドを展開。楽曲は概ねブルース基調で、ジャズや北欧トラッド的要素も交えてサイケで括った感じの一捻り感が、場末のクラブでハコバンが演奏しているようなB級感に収束。どの曲もリフ&フレーズ、テンポが速めというか、ギター、オルガン、サックスのどれかが早口気味のボーカルとユニゾンしていることが多く、適時流暢にソロも弾きまくるギターや、派手ではないがツボをハズさないオルガン、安定してドライヴ感を出すベース、16ビート基調でノリのよいドラム&パーカスによるアンサンブルは、ともかくも達者で上手い。時折飛び出すイアン・アンダーソン的なツバ吹フルートも含め、このゴッタ煮感は非常に正しくサイケで、北欧的粘っこさは薄い代わりにせっかちさが味わいになっていて、ハード・ロック調の演奏も素直にカッコいい。日本での知名度はないかも知れないが、ハード系&プログレ系愛好家ともにけっこう楽しめる好盤と思う。この後、72年にセカンドをリリースしてバンドは解散、イギリス人のワードはイェーテボリに残ってネイチャーに加入。
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輸入盤
(Psyche Hard/Progressive,Blues,Psyche / Jewel-case CD(2022 Re-master) / Paisley Press/German)