ドイツのユニバーサル/ヴァーティゴから、70年のアルバム未収シングル1曲(9曲目)とラジオ・エディション1曲(10曲目)の、計2曲をボーナスで加えての08年新規リマスター&デジパックでのリシュー。08年リマスター音源使用で、音質はクリアで迫力もあってよい。ルシファーズ・フレンドは、ハンブルク出身のアステリックスを母体として70年に結成されたグループで、ブルージー・ハードを基調としながらも、プログレ、ポップス、ファンク、メタル色等々を取り込み、時期によってサウンドに変遷を見せた。スコーピオンズやキン・ピン・メイ、フランピィ等とともに、ジャーマン・ハード系の中では知名度のあるビッグ・ネームの1つで、何よりジョン・ロートンがユーライア・ヒープに加入したことでも知られていると思う。本作は、70年にドイツのフィリップスからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ロートン、ペーター・ヘスライン、ペーター・ヘクト、ディーター・ホーンズ、ヨアキム・ライテンバッハの5人編成、結局全員がアステリックスに在籍していた。ヘルベルト・ヒルデブラントとバンドの共同プロデュース。ダークだが疾走感のある炸裂プログレ・ハードを展開していて、ブルージーなギターと流暢なオルガン、ドライヴするリズム隊に、ロートンの突き抜けるような高音シャウト・ボーカルが絡む上手い演奏は、およそ文句なしのカッコよさを放つ。ツェッペリンやパープル、サバス等の影響云々で語られる事が多いが、時期的には同時進行で単なる模倣ではなく、英詞でブリティッシュ的なサウンド・メイキングが、ドイツ的な暗さやハードとプログレの狭間さ加減に収束する、ブリティッシュとはちょっと違うB級感という印象。ジャーマン・ハード最高峰の1つに相違ないと思う。カッコよし!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Psyche,Progressive / Digi-Pack CD(2010 '08Re-master) / Universal,Vertigo/German)