フィンランドのスヴァルト・レコードから、22年新規リマスター&デジパックでのリシュー。50周年アニヴァーサリー・エディションで、音質はクリアで迫力もあってよい。カレワラはヘルシンキ出身のグループで、リド・サロネン、ラム-・アールトネン、ペッカ・ヤルヴィネンが中心となって69年に結成されている。結成当初はイケイケのロックンロール系だったが、アールトネンとヤルヴィネンがフッリガネス結成のために脱退後の72年にプログレ&ハード色を交えたファーストをリリース。その後、75年のブルース色メインのセカンド、77年のプログレ、ハード、ブルース折衷的サード(カレワラ・オーケストラ名義)と、サウンドに変遷を見せた。日本での知名度は低いが、フィンランドではよく知られたビッグ・ネームの1つらしい。本作は、72年にフィンランドのフィンレヴィからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、サロネン、ハッリ・サクサラ(ex.アポロ,ソウルセット,etc)、マッティ・クルキネン(ex.イーロ・コイヴィストイネン,etc)、マルック・ルーコネン(ex.ヴァンハ・イザンタ,etc)の4人編成が基本で、曲によってオッリ・アーヴェンラハティ、ライモ・ヴァリアン等が適時ゲスト参加、プロデュースはユッカ・ハウル。概ね、ハード色とアート・ロック色、プログレ色が交叉するプログレ・ハード方面のサウンドを展開していて、ハード調のファズ・ギターとアクの強いシアトリカルなボーカルを軸に、よく動くベースとドカスカなドラムのせっかちなリズム隊、プログレ色を担保するキーボードやフルート、アコギなどが絡みながら一体となって疾走。全体に勢いがあってノリがよく、B級の捨て難い味わい十分でけっこうカッコいい好盤と思う。
輸入盤
(Psyche Hard/Progressive,Art Rock / Digi-Pack CD(2022 Re-master) / Svart Records/Finland)