ドイツのエクリプス・レコードから、70,71年の2枚のアルバム未収シングル両面4曲と、71年の未発表アウトテイク&ライヴ音源3曲の、計7曲をボーナスで加えてのリシュー。キン・ピン・メイはマンハイム出身のグループで、地元のローカル・バンドにイギリス人ボーカリストのジェフ・ハリソンが加入する形で69年に結成されている。71年にハリソンとギタリストのガージェイ・ムロジェクが2066&ゼンを結成して分裂状態となるが(2人とも73年のサードでキン・ピン・メイに復帰)、残ったメンバーにヴェルナー・ステファン等を加えて活動を再開した。本作は、71年にドイツのポリドールからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ステファン、ヴィリー・ヴァーグナー、フリーデル・シュミット、トルステン・ヘルツォーク、カーレ・ヴェーバーの5人編成、アキム・ライヒェルとフランク・ドスタルの共同プロデュース。概ね、泣きのメロディやメロトロンを使ったブリティッシュ的な抒情性を、アメリカ的なカッチリしてタイトな演奏で聴かせるハード・ロックを展開していて、クッキリしたクリアーな英語ボーカルということもあってか、ジャーマン・ハードには聴こえない洗練感を放つ。初期ピンク・フロイド的なサイケな効果音やSEは、メインストリーム系の整合感の範疇内で上手く纏めている印象で、いい音で鳴っているギターや流暢なオルガンを軸とした演奏もソリッドで素直にカッコいい。ハード・ロック愛好家ならわりと問題なく楽しめるだろう好盤と思う。尚、16世紀の中国の小説に由来するバンド名は、『黄金の花瓶に活けられた李の小枝』という程の意味らしい。
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輸入盤
(Psyche Hard/Progressive,Blues,Pops / Jewel-case CD(2015) / Eclipse/German)